5年前、私はただのサラリーマンでした。
「このまま定年まで働き続けるのか?」
という漠然とした不安と、
元々自分で何か起業したいという気持ちで、
満員電車に揺られる毎朝に耐えられなくなっていました。
そんな時、スマホの画面に流れてきたのが、
あるハウスクリーニングFC(フランチャイズ)の広告でした。
「未経験からでも、
本部の強力なバックアップで月収100万円」
「営業は一切不要。
本部のコールセンターが仕事を獲得し、
あなたに提供します」
その言葉は、
会社を辞めたくて仕方がなかった私の心に、
面白いほど突き刺さりました。
「ハウスクリーニングなら、特別な資格もいらない。
本部が仕事を持ってきてくれるなら、自分でもいけるはずだ」
私は、長年勤めた会社に退職願を叩きつけました。
退職金と貯金のすべてを初期費用に充て、
さらに足りない分は銀行から借り入れました。
契約書にハンコを押した時、
私は「これで自由になれる」と確信していました。
独立してすぐ、私はSNSで報告しました。
最新の高圧洗浄機、ロゴが入った真新しい作業着。
「今日から『代表』としてスタートします!」
「やりがいしかない」
そんな投稿をすると、かつての同僚や友人から、
驚くほどの数の「いいね」がつきました。
その言葉が、私のプライドをパンパンに膨らませました。
俺は、あいつらとは違うステージに立ったんだ。
そう自分に言い聞かせ、
必死に「成功者」を演じる毎日が始まりました。