子どもを堕胎したことにより、
夫の実家には居づらくなり、
夫と二人で暮らし始めた。
夫は「このまま結婚生活を続けるのは、
お前の為にならないと思う」と言った。
夫の帰宅はあいかわらず遅く、
実家に居た頃からあった女性からの悪戯電話がエスカレートする。
「あなたの夫は浮気している」という内容だった。
このころ、少しノイローゼ気味になった。
クリスマスイブに、堕胎の後遺症で大量に出血し、
即日入院することになった。
お見舞いに来てくれた夫の祖母には「罰があたったんや」
と言われた。
辛い一言だった。
退院して家に帰るとコンドームが減っていた。
すぐに夫が浮気をしたことを疑った。
過去にも疑惑があり、
夫はそれを否定したが、
納得のいく説明ではなかった。
それからしばらくして夫に
「お前のそういうところが嫌なんやって」
と言われた瞬間、
「もう、いいや・・・」と頭の中で聞こえた。
自分ではない誰かがつぶやいたような感覚だった。
次の瞬間、キッチンへ行き、常用していた薬を全て飲んだ。
飲み終えて、何食わぬ顔で夫のいる部屋に戻り、
家事の続きをした。
しばらくすると、激しい頭痛と吐き気に襲われた。
トイレで嘔吐すると、薬が何錠か出た。
夫が気づき、私の飲んだ薬の箱を手に、
救急病院へ連れて行った。病院で意識が戻り、
自分が死ねなかったことに気づいた。
入院の間中、屋上へ行っては、
「ここから飛び降りたら死ねるかな」と考えたりしていた。
自分が無意識状態で「助けて」と言ったことを後から聞かされた。