高校3年の時。
私が密かに思いを寄せていた同級生の男子が、
私の親友を好きになった。
彼女は、背も高くてモデルのように
スタイル抜群の容姿をしていた。
片や、当時の私はというと、
身長152センチ、体重58キロという
対照的なぽっちゃりスタイルだった。
そんな私が彼に振り向いてもらうためには、
「痩せてキレイになるしかない。
痩せたら彼が振り向いてくれるかもしれない」
そう思い込み、私の過激なダイエットは始まった。
食べ物をほとんど口にしない。
口にするのは水だけ。
その繰り返しの日々を送り続け、
夏休みの40日間程度で
一気に10キロ体重を落とした。
「私を丸いと言ったヤツらを、
ぜったいに見返してやりたい。綺麗になるんだ」
って自分に言い聞かせ続け、
ダイエット開始から2ヵ月後には
体重は20キロも減少していた。
体重が40キロを切ってからも、
乾いた雑巾を絞るように
ひたすらダイエットを続け、2-3年後にはとうとう28キロまで……。
なにがなんでも体重を落とすんだと
過激なダイエットを取り組むうち、
いつのまにか拒食症へと変化していた。
拒食症になると、
痩せることが面白くなる反面、
太ることがとても恐くなる。
リバウンドすることが恐い。
「太った丸い自分に戻ってしまうのではないか」
という恐怖心から、
身体が食べ物を受け付けなくなっていた。
当然、身体は衰弱し、急激なダイエットの
影響から生理がとまった。
痩せてキレイになるどころか女性としての
魅力とは程遠い容姿になっていた。
親友のようなモデル体型になれば、
好きな人に振り向いてもらえると思っていたが、
現実は甘くなかった。